元金・利息・支払合計は何が違うか
元金は借りたお金そのもので、元金返済はその残高を減らす支払いです。利息は借入に伴って支払う費用です。元金と利息だけを支払う回なら、支払合計は両者を足した金額になります。手数料等が別にあれば、それも分けて確認します。
借入元金の返済はお金を減らしますが、利益計算の費用にはなりません。J-Net21も、元金返済を「費用」と「支出」が異なる例として説明しています。中小機構J-Net21「資金繰りとは」
また、資金繰り表の説明では支払利息と借入返済を別項目として扱っています。中小機構J-Net21「資金繰り表を活用する」第4節
自分で金利計算を始める前に、元資料をそろえる
最初に、借入先ごとの返済予定表、変更の通知、返済口座の明細、同じ基準日の元金残高が分かる資料を集めます。同じ金融機関から複数回借りている場合は、金融機関名だけでなく契約を識別できる名称や番号も必要です。
本記事で作るのは、実際の契約に基づく予定を集約する社内用の管理表です。記憶した毎月額を年末まで複製したり、概算の利息を確定額として入力したりせず、根拠資料の年月日も記録します。不明な箇所は空欄の理由を残し、借入先に確認する項目として分けます。
以下のひな形は本記事の編集上の提案であり、金融機関への提出様式ではありません。
| 整理する単位 | 記録する項目 | 照合するもの |
|---|---|---|
| 借入契約ごと | 借入先、識別名、基準日の元金残高 | 契約・残高の資料 |
| 返済日ごと | 元金、利息、その他、支払合計 | 最新の返済予定表 |
| 支払実績ごと | 実際の支払日、支払額、差異 | 返済口座の明細 |
架空例:15.9万円の支払いで、元金残高はいくら減るか
以下は独自の説明用の架空例です。単位は万円。10月の予定として借入A・Bを整理します。新規借入、繰上返済、手数料、条件変更はなく、利息は説明用に設定した金額です。現在の金利や金融商品の条件を表すものではありません。
| 項目 | 借入A | 借入B |
|---|---|---|
| 月初の元金残高 | 300 | 120 |
| 10月の元金返済 | 10 | 5 |
| 10月の利息 | 0.6 | 0.3 |
| 口座から出る金額 | 10.6 | 5.3 |
| 予定どおり返済した後の元金残高 | 290 | 115 |
Aの支払いは10+0.6=10.6万円、Bは5+0.3=5.3万円です。合計の出金は15.9万円ですが、元金残高を減らすのは10+5=15万円だけです。
月初の元金残高合計420万円から元金返済15万円を引くと、月末は405万円になります。420万円から支払合計15.9万円を引いた404.1万円ではありません。利息0.9万円はお金の支出に含まれても、この例では元金残高を減らさないためです。
この表の月末残高は、予定どおり支払った場合の数字です。月末には実際の支払いと残高を確認してから実績にします。予定の表を作っただけで、返済済みと判断しないようにしてください。
返済予定を管理表へまとめる5つの手順
- 対象契約を洗い出す。 同じ借入先の別契約も分け、一覧から抜けないようにします。
- 基準日をそろえる。 月初の残高を使うなら、すでに当月返済を引いた残高が混ざっていないか確認します。
- 各返済日を転記する。 元金・利息・その他を分け、支払合計が元資料と一致するか確かめます。
- 月別の集計を作る。 日ごとの記録を残したまま、同じ月の元金と利息をそれぞれ合計します。
- 支払い後に実績を照合する。 口座明細と差があれば理由を確認し、修正した日と根拠資料を残します。
「毎月同じ日だろう」と決めてしまわず、口座から支払われる予定日を資料で確認します。複数の口座から返す場合は口座の識別も残します。誰かが予定を更新した際は、古い表を参照して二重集計しないよう、使う版を一つに決めておく方法が有効です。
資金繰り表へ移すときは、二重計上を避ける
日本政策金融公庫の記入例は、返済予定表等から月次の支払予定を記入する手順を示しています。日本政策金融公庫「資金繰り表(記入例)」手順⑥
例えば上の例を、元金返済欄15万円、利息欄0.9万円に分けて転記したなら、別に「返済合計15.9万円」を支出へ加えません。合計は確認用として表示するだけにします。書式によって利息を置く欄は異なるので、自社の表でどこへ入れたかを決めておきます。
入金や他の支払いも合わせて確認する方法は、資金繰り表の作り方と残高の確認方法を参照してください。返済予定表だけでは、会社全体の支払余力は判断できません。
よくある質問
通帳の引落額だけから作れますか?
支払総額の確認には使えますが、その表示だけでは元金と利息の内訳が分からないことがあります。予定表や明細と突き合わせ、分からない金額を全額元金として扱わないようにします。
予定表と実際の金額が違う場合は?
対象契約、対象日、資料の版、元金と利息の内訳を確認します。合計を合わせるために根拠のない調整額を入れず、借入先へ確認する事項を残します。本記事は返済額や契約条件を変更する判断は扱いません。
相談前にそろえたいもの
借入先別の最新予定表、同じ基準日の残高、返済口座の明細、説明できない差異をまとめましょう。返済の内訳と資金繰り表への転記を整理することが、相談の出発点です。
初回相談無料・全国オンライン対応。 無料相談フォームまたはLINE公式アカウントから、お名前と相談したいことをお送りください。継続支援の内容・費用は別途ご案内します。情報確認日:2026年10月3日。
既存の借入・返済予定をふまえて今後の必要資金を整理したい方は、資金調達の相談をご覧ください。
参考資料・確認日
- 中小機構J-Net21:資金繰りとは確認日:2026-10-03
確認した箇所
収益と収入、費用と支出の違い:借入元金返済は支出だが費用ではない。本文の公表・更新日記載なし。
- 中小機構J-Net21:資金繰り表を活用する(2023年2月10日)確認日:2026-10-03
確認した箇所
第4節:支払利息を経費の支出、借入返済を財務収支に分ける書式の説明。
- 日本政策金融公庫:資金繰り表(記入例)確認日:2026-10-03
確認した箇所
1ページ手順⑥:返済予定表等から月次の支払予定を記入する。本文の公表・更新日記載なし。