資金繰り表の作成を依頼するときは、まず「最初の表を作る」「毎月更新する」「数字を見て対応を考える」のどこまで頼むかを分けましょう。同じ「作成支援」でも、資料の整理、修正、打ち合わせが含まれるかをそろえないと、見積金額だけでは比較できません。

この記事は、外注やコンサルティングを検討する中小企業の経営者に向けた依頼準備ガイドです。料金相場や特定事業者の優劣ではなく、見積もりと成果物を自分で確認できるチェック項目を紹介します。

1.依頼したい範囲を3つに分ける

次の表は、カチアゲが依頼内容を整理するために作成したものです。各事業者がこの区分でサービスを提供しているという意味ではありません。自社で行う部分と依頼したい部分を、相談先に伝えるために使ってください。

依頼したい範囲 受け取りたいもの 事前に確認すること
初回作成 対象期間の資金繰り表、前提・未確認項目の一覧 既存資料の整理や不足資料の確認も含むか
継続更新 更新後の表、予定と実績の差、次の確認事項 更新頻度、資料提出の締切、急な予定変更への対応
分析・検討の支援 残高が減る時期の説明、複数の見通し、検討課題 打ち合わせ回数、説明資料、実行支援の範囲

例えば、表は社内で更新できるが見通しを説明できない場合は、入力代行より分析の支援が課題に合う可能性があります。逆に、資料が各担当者の手元に散らばっているなら、表の作成だけを頼んでも着手に必要な情報が集まらないことがあります。

中小機構J-Net21は、資金繰り実績表と予定表を分け、差を確認して今後の対応を検討する考え方を紹介しています。依頼時も「過去をまとめた表」と「これからの入出金を置いた表」のどちらが必要かを伝えましょう。出典:J-Net21「資金繰り表を活用する」

2.費用は、同じ条件の見積もりで比べる

本記事では、確認できる統一的な料金相場を示していません。相談時には、希望する作業を箇条書きにし、次の項目ごとに「含む・別料金・対象外」を確認すると比較しやすくなります。

  • 初期作業:対象口座や資料の整理、過去分の入力、既存表の修正を含むか。
  • 作成対象:何か月先まで、月次・週次・日次のどの単位で作るか。会社別・事業別の集計は必要か。
  • 継続業務:更新と残高確認、予定変更の反映、説明の打ち合わせがそれぞれ何回含まれるか。
  • 追加対応:資料の後出し、前提変更、急ぎの修正に追加費用が発生する条件。
  • 利用と引継ぎ:ソフト利用料、編集可能なファイルの受け渡し、契約終了時のデータ提供。
  • 契約条件:税込・税別、支払時期、契約期間、解約条件、成果物の修正期限。

「月額が安いか」だけでなく、必要な期間の総額と、社内に残る作業も並べて検討します。見積書に「作成一式」としか書かれていない場合は、納品物・更新・説明・修正の内訳を確認してください。

3.最初の相談では、資料の有無と期限を伝える

初回の連絡からすべての資料を送る必要はありません。まず「何が手元にあり、何が未確認か」を整理します。必要な範囲と共有方法は相談先と確認してから決めましょう。

  • 現在使っている資金繰り表があるか。最後に更新したのはいつか。
  • 直近の試算表、現金・預金の残高、入出金明細を確認できるか。
  • 請求済みの入金予定、仕入・給与・家賃などの支払予定がまとまっているか。
  • 借入の返済予定、税金や設備代金などの大きな支払いが分かるか。
  • 経営判断や金融機関との面談など、表を使いたい日が決まっているか。

「来月の支払いを確かめたい」「半年先の見通しを作りたい」では、必要な細かさが違います。急ぐ理由と期限も伝え、いつまでに何を確認できるかを相談してください。提出用の場合は、提出先が求める期間・様式・資料を先に確認します。

自社で作れる範囲を先に試す方法もあります。日本政策金融公庫は資金繰り表・簡易版・記入例の公式書式を公開しています。書式の記載方法は同ページにある公庫の窓口へ直接確認できます。基本の記入手順は、当サイトの資金繰り表の作り方と残高の確認方法をご覧ください。

4.受け取った表を確認する6項目

納品時に「ファイルが届いた」で終わらせず、依頼した目的に使えるかを説明とともに確認します。次の表は独自の受入確認シートです。確認できない項目には、回答する人と確認予定日を残しましょう。

確認項目 相談先に聞くこと
対象と基準日 どの会社・口座・現金を、いつの残高から集計したか
資料との対応 主な入出金を、どの明細や予定資料から確認できるか
予定と実績 入出金済みの実績と、これからの予定を分けているか。予定の前提・未確認項目を追えるか
残高の確認 実績と現預金残高を照合したか。差があれば理由が残っているか
判断への使い方 どの時期の残高を見て、何を追加確認すべきか
引継ぎ 誰が、どの資料で、次にいつ更新するか。入力方法の説明があるか

月次表を依頼した場合でも、月の途中に大きな支払いがあるなら、その日付での確認が範囲に含まれるかを聞きます。依頼した範囲を超える分析や追加作成が必要なら、費用と期限をあらためて合意しましょう。

5.そのまま使える相談メモ

まだ決められない欄は「相談して決めたい」で構いません。次の内容を短くまとめれば、支援範囲の話を始めやすくなります。

  • 相談したいこと:資金繰り表の初回作成/継続更新/数字の見方
  • 目的:何の判断に使いたいか、いつまでに確認したいか
  • 現在の状態:表の有無、資料の有無、困っている作業
  • 依頼したい範囲:社内でできること、支援を受けたいこと
  • 見積もりで確認したいこと:成果物、期間、修正、費用

カチアゲでは、入金・支払いの予定や資料を整理し、資金繰り表づくりと活用の進め方を相談できます。初回相談は無料・全国オンライン対応です。具体的な作成や継続更新の支援範囲・費用は、相談後に個別にご案内します。初回相談だけで表の完成や入力代行をお約束するものではありません。

カチアゲの資金繰り表作成・活用の支援内容を見る/資金繰り表の相談内容を送る(初回無料)

最初は「表の有無」「いちばん困っていること」「希望時期」を分かる範囲でお知らせください。お問い合わせ時に財務資料を添付する必要はありません。

よくある質問

顧問税理士に頼む場合も、別に確認が必要ですか?

現在の契約に資金繰り表の作成・予定の更新・説明が含まれているかを確認してください。会計資料を作る業務と、将来の入出金を整理する業務を分けて聞くと、依頼範囲を決めやすくなります。

一度作ってもらえば、あとはそのまま使えますか?

入金日や支払いが変われば、見通しも変わります。単発の作成依頼なら、納品後に自社で更新する手順まで確認しましょう。日々の分担は資料集め・反映・確認の役割分担で整理できます。

金融機関に提出する表も、作成を依頼できますか?

対応できるか、提出先が求める内容まで含むかを依頼先に確認します。作成支援と融資審査は別です。外部に作成を依頼したことや表の完成が、融資の承認を保証するものではありません。

出典・制作について

依頼範囲・見積項目・受入確認表・相談メモは、カチアゲが独自に整理した提案です。制作・発行:株式会社KACHIAGE(AI編集支援)。一般的な依頼準備を説明したもので、有資格者による監修や個別の税務・融資判断を示すものではありません。編集方針