一度は表を作ったものの、情報が集まらず更新が続かない経営者・経理担当者に向けた記事です。以下の担当表や手順は、本サイトの編集上の提案です。公的な必須ルールや実際の支援事例ではありません。

1.まず「どこで止まるか」を分ける

「経理が忙しい」で終わらせず、更新できない項目を一つ選び、止まっている場所を確認します。

  • 資料待ち:請求書や入金日の連絡が、表を更新する人に届いていない。
  • 反映待ち:資料はあるが、使う表や入力担当が決まっていない。
  • 確認待ち:数字は入れたが、予定変更の理由や確認先が分からない。

資料待ちなら提出先、反映待ちなら担当と表の置き場所、確認待ちなら質問を渡す相手を決めます。人を責めるための分類ではなく、次に必要な作業を見つけるための整理です。

2.作業ごとに担当と完了の記録を決める

まずは次の3列を使い、自社の担当者名や資料名を書き足してください。「経理部」だけでは確認先が曖昧なら、実際に返答できる人まで具体化します。

作業決めること残す記録
資料を集める元資料・確認先・提出日未提出の資料と次の確認日
表へ反映する入力担当・使う表の場所反映した資料と更新日時
内容を確認する確認者・確認する項目相違点と未確認事項
変更を共有する共有先・判断を求める人変更点と次にすること

4人の専任担当を置くという意味ではありません。同じ人が資料集めと入力を担当しても、作業の状態は分けて残せます。「入力済み」を、そのまま「確認済み」にしないことがポイントです。

表の冒頭などに「何日時点の情報か」「誰が更新したか」「未確認事項はどこにあるか」を書くと、途中から見る人も確認を始めやすくなります。共有する相手は業務上必要な人に絞ります。

日本政策金融公庫の資料も、資金繰り改善について経営者の方針を担当者へ伝え、理解を得て実行する重要性を説明しています。上の担当表は、その考えを日々の更新作業へ具体化した本稿の例です。出典:日本政策金融公庫「経営Q&A ~上手な資金繰り方法~」最終ページ

3.当初の予定を消さず、実績と見直しを分ける

当初の予定を新しい数字で上書きすると、何が変わったのかを後から追いにくくなります。例えば「当初予定」「実績」「更新後の見込み」を分けるか、更新前の版を保存する方法を検討してください。

J-Net21は、これまでのお金の動きを示す実績と、先の動きを見込む予定を区別し、差を比較することで問題点や対応を考えると説明しています。出典:J-Net21「資金繰り表を活用する」第3節

また、日本政策金融公庫は、月が終わった後に実績を記録し、予定との差を翌月以降の見直しに生かす方法を案内しています。出典:日本政策金融公庫「アフターコロナを見据えた『資金繰り』を考える」3(3)

差があれば、金額の違いなのか、入出金する月の違いなのかを確認します。記入や実残高との照合を確かめたい場合は、資金繰り表の作り方と残高の確認方法も参照してください。

4.予定変更を「聞いて終わり」にしない

架空の業務例として、営業担当に「今月末の入金が翌月になるかもしれない」と連絡が入った場合を考えます。新しい入金日は、まだ確認できていません。

  1. 対象の請求と当初予定日、連絡を受けた日、連絡内容を残す。
  2. 営業担当など、相手先へ確認する人を決める。確認できていない新日付を推測で確定しない。
  3. 資金繰り表では、当月の予定に不確実な項目があると分かるようにする。翌月への移動が確認できたら、両月の予定を合わせて見直す。
  4. 反映した表の版、確認者、残った疑問と次の確認日を共有する。

入金予定の連絡は、実際の入金とは別です。入金を確かめる前に実績へ移さず、口座明細などとの照合を残します。また、当月から翌月へ移す際に、両方の月へ同じ入金を残さないよう確認します。

未確定の入金を含む残高には、その前提を添えます。担当者が表へ入力しただけで、支払いの承認や資金調達の判断まで済んだ扱いにはしません。

5.定例確認と、変更時の確認を組み合わせる

資料を集める日、表へ反映する日、内容を確認する日を決めます。そのうえで、大きな入出金の前や予定日が変わったときに、定例日を待たず何を確認するかも話し合っておきましょう。

一律に「月1回で十分」とは決められません。入出金の回数や予定の変わりやすさに合わせて、確認する間隔を検討します。最初から細かい規則を増やすより、止まっていた項目が次回までに進んだかを確かめ、担当や連絡方法を調整する進め方もあります。

6.更新業務で迷いやすいこと

一人で担当していても分担表は必要?

作業の抜けを見つけるメモとして使えます。自分の入力作業と、営業担当や経営者から回答をもらう作業を分け、返答待ちを見えるようにしましょう。

分からない金額は0円にしてよい?

未確認と「入出金がない」は別です。未確認欄や注記を設け、確認先と次の確認日を残します。不明な項目を0円とみなした合計を、確認済みの見通しとして共有しないようにします。

ツールを導入すれば確認担当は不要?

資料が届いたか、予定変更を反映したか、未確認の数字がないかは確認事項として残ります。まず作業と確認先を整理し、その中でツールに任せたい部分を考えてください。

7.相談前に、止まっている工程をメモする

まず自社で「止まる工程」「今の担当」「確認できない情報」の3点を書き出してみてください。確認する人や次の確認日を決められる項目から進められます。

資料が複数部門に分かれて整理が進まない、更新が社長一人に集中している場合は、そのメモからご相談いただけます。KACHIAGEでは、資金繰り表と日々の業務の整理について、全国オンラインの初回無料相談をご案内しています。継続支援の内容・費用は別途ご案内します。

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参考資料・確認日