赤字決算を銀行に説明するときは、「何が赤字か」「なぜそうなったか」「決算後はどうか」「何を変えるか」を、根拠資料と結び付けて整理しましょう。 決算書に説明メモを添えると、分かっていることと確認が必要なことを分けて相談できます。
制作・発行:株式会社KACHIAGE(AI編集支援)|編集方針
情報確認日:2026年10月22日。以下のメモ・計算例は当サイト独自の整理です。銀行の指定様式や実在企業の相談事例ではありません。自社相談の案内を含み、第三者の広告リンクはありません。
赤字を説明する前に、利益の種類と期間をそろえる
「赤字になった」だけでは、本業の営業利益がマイナスなのか、経常利益なのか、最終的な当期純利益なのかが分かりません。まず、決算書のどの項目が、どの期間に、いくらマイナスだったかを書きます。
前期の営業利益と今期の当期純利益を比べるように、異なる利益をつなげないことが大切です。数字を見やすくするために決算書そのものを書き換えず、補足する理由や内訳を別紙に示してください。
中小機構J-Net21は、経営計画・予実管理・日頃の金融機関との情報共有を挙げています[1]。本記事は、その情報共有の準備として、赤字の説明を短く整理する方法を提案します。説明資料の完成と、融資の可否・条件の判断は別です。
赤字の原因は「理由・金額・根拠」をセットにする
「物価高」「売上不振」で止めず、自社のどの数字に表れたかを確認します。例えば、主要取引先の受注減少なら受注・売上の明細、仕入価格の上昇なら同じ商品の単価や請求書、販管費の増加なら科目別の内訳を照合します。
原因別の金額は、説明する利益の増減と対応させます。「売上が100万円減った」と「利益が100万円減った」は同じではありません。売上原価も変わるため、粗利益への影響と、そこから引く経費を分けてください。
あわせて、一度限りと考える理由、続いている要因、まだ判断できない点を区分します。「この費用は来期に発生しない」と考えても、再発の可能性や代わりに必要な費用がないか確認が必要です。一時的な費用を足し戻した数字は補足計算として示し、正式な決算の利益や、融資を受けられる根拠へ置き換えないようにします。
決算後の足元は、前年と同じ期間で比べる
決算書が年次の実績なら、決算後の動きは直近の月次試算表などで補足します。前年の12か月と今期の6か月の合計をそのまま比べず、例えば「前年3〜8月」と「今期3〜8月」のように対象月をそろえます。
売上・売上原価・販管費・営業利益を同じ区分で並べ、期間、単位、作成日を付けます。棚卸しや未払費用などの反映が終わっていない速報値なら、その内容も残しましょう。「改善した」という言葉だけでなく、確定した実績と未処理の項目が分かる状態にします。
金融庁の2026年3月の金融機関職員向け参考資料も、赤字補填資金の検討に前期決算書と進行期の試算表を確認する視点を示しています[2]。同資料の「収支赤字」「返済赤字」は資金不足の状態を扱う整理で、決算書の赤字と同じ意味ではありません。本記事でも、損益と支払いに使える資金は分けて確認します。
改善策は、効果から追加費用も引いて書く
日本政策金融公庫の手引は、現状把握、課題の抽出、具体策、数値計画という流れを示し、価格・販売量・費用などの前提を確かめる考え方を説明しています[3]。
説明メモでは「値上げする」だけでなく、対象、数量・単価、反映する月数、実施の担当、確認期限まで書きます。相手先の了承が必要なら、交渉中の計画と合意済みの内容を分けてください。複数の施策が同じ売上や原価に影響するときは、効果を二重に足さないようにします。
架空例:営業赤字120万円が、計画上20万円の黒字になる場合
次は、年間の営業利益を説明するための架空例です。単位は万円。前期実績は、売上4,800、売上原価3,360、販管費1,560で、営業利益は4,800−3,360−1,560=−120です。
前期は年間1万個を、平均単価4,800円、1個当たり売上原価3,360円で販売したとします。今期も販売数量・商品構成は同じで、平均単価を4,920円、1個当たり売上原価を3,300円に変更し、その条件が12か月間反映されると仮定します。価格改定の効果は1万個×120円=120万円、原価削減は1万個×60円=60万円です。ほかの変動はない、説明用の単純なモデルです。
| 改善計画の内容 | 営業利益への影響 |
|---|---|
| 価格改定による売上増加 | +120 |
| 同じ販売数量に対する売上原価の削減 | +60 |
| 実施に必要な追加の販管費 | −40 |
| 改善効果の合計 | +140 |
計画上の営業利益は、−120+120+60−40=20万円です。計画の損益も、売上4,920−売上原価3,300−販管費1,600=20万円となり、両方の計算が一致します。
ただし、価格改定による売上増加が60万円にとどまり、ほかの条件が同じなら、営業利益は−120+60+60−40=−40万円です。販売数量の減少や、実施が年度途中になる場合も計算し直します。「黒字化できる」と断定せず、前提が外れた場合の数字と次の対応を残してください。
この20万円は営業利益の計画であり、口座に増える現金でも、借入返済に充てられる金額でもありません。入金・支払・返済の日付は別途確認します。支払日に不足しそうなら、日付別の資金繰り確認表も役立ちます。
銀行面談前の「1枚説明メモ」記入欄
次の表は、面談で説明する要点をまとめる独自のひな型です。実際の提出様式・必要資料・対象期間は銀行へ確認してください。別紙の根拠に番号を振り、メモから戻れるようにします。
会社名:____/作成日:__年__月__日/面談予定:____
| 説明すること | 分かる範囲で記入 |
|---|---|
| 何が赤字か | 対象期間__/利益の種類__/金額__万円/決算書の該当箇所__ |
| 主な原因 | 要因__/利益への影響額__/根拠資料番号__ |
| 続く要因・一時的な要因 | 判断__/そう考える根拠__/再発・代替費用の確認__ |
| 決算後の足元 | 比較する同期間__/前年と今期の実績__/速報・未反映事項__ |
| 改善策と検証 | 施策__/数量×単価・期間等の計算根拠__/追加費用__/担当・期限__/計画と実績の差__ |
| 相談事項・確認待ち | 銀行に聞きたいこと__/未確認事項と確認先__/次の報告日__ |
金額を原因別に分け切れない場合は、合わない差額を無理に埋めず「未分析」として残します。資料全般の準備は資金調達の相談前に準備する資料をご覧ください。返済自体の相談が必要な場合は、銀行借入の返済が厳しいときの確認表で論点を分けられます。
上の架空例をメモに入れるなら、例えば次のように書けます。担当や期限も説明用の仮置きです。
- 赤字:前期12か月の営業利益−120万円。元の決算書を添える。
- 原因・足元:赤字原因の増減分析と、今期の同期間試算表は未確認。経理担当が面談前日までに確認する。
- 改善計画:年間1万個を前提に価格改定・原価削減・追加費用を織り込み、営業利益20万円を計画。価格改定効果が半分なら−40万円。
- 次の確認:経営者が面談前日までに価格改定の合意状況と原価の根拠を確認し、毎月の実績との差を更新する。
よくある質問
決算説明資料は、経営改善計画書と同じですか?
本記事のメモは、赤字の状況や相談したい点を共有する補助資料です。正式な経営改善計画書の代わりになるとは限りません。銀行から計画書の提出を求められている場合は、必要な期間・様式・確認事項を担当者へ聞いてください。
数字が全部そろうまで、相談を待つべきですか?
未確認の資料は一覧にして、まず相談時に必要なものを確認しましょう。支払いや返済の期限が迫っている場合は、完成した資料を待たず取引金融機関へ連絡してください。決算内容や会計処理の確認は、顧問税理士等にも相談します。
赤字の理由を、数字と結び付けるところから相談できます
公的な無料の経営相談先として、よろず支援拠点もあります。公式サイトから地域の窓口を確認できます[4]。
「どの原因を説明すればよいか」「試算表のどこを比べればよいか」が整理できていなくても、カチアゲの初回無料相談で、課題・確認したい数字や資料・支援の方向性を一緒に整理できます。
資金調達の相談支援をご確認のうえ、銀行への説明資料の整理について相談するから、今困っていることをお知らせください。最初のお問い合わせに決算書や口座情報を入力・添付する必要はありません。全国オンライン対応で、具体的な支援範囲や継続支援の費用は別途ご案内します。銀行への直接相談とあわせてご検討ください。
参考資料・確認日
以下の公式本文を2026年10月22日に確認しました。この記事はAI編集支援による一般情報で、税理士等の資格者による監修ではありません。
- [1]中小機構J-Net21「金融機関との関わり方」:https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/finance/banks.html
- [2]金融庁「逆引き着眼点 融資相談時の資金別・業種別ポイント」(2026年3月)1・19ページ。金融機関職員向けの参考資料:https://www.fsa.go.jp/policy/chuukai/2603gyakubiki.pdf
- [3]日本政策金融公庫 国民生活事業「経営改善計画書策定の手引」5〜6・15・20〜22ページ。計画の整理方法を参照し、制度条件や数値目標の一律適用はしていません:https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/keieikaizentebiki_230403n.pdf
- [4]中小機構 よろず支援拠点全国本部「よろず支援拠点」無料の経営相談・地域の拠点案内:https://yorozu.smrj.go.jp/